時おり「夏日」を観測するというちょっと風変わりな10月も、残りわずかですね。
晴れの日が何日かつづいて、ようやく落ち着いた秋の風情となってきた気がいたします。
さて本日は、秋の夜長におすすめの二冊をご紹介いたします。
「ここには可能性が書かれている。希望がかかれている。
自分たちの未来にまだまだワクワクしていられる
そう思えて嬉しくなった。」
桜井和寿氏(Mr.Children)による帯カバー文より
「未来バンク」理事長にして、「ap bank」監事も務める著者。
原子力と石油に依存したこれまでの社会から、どのようにして「新しい社会」を作り出せば良いのか、がこの本には実にイメージ豊かにはっきりと示されています。
読みすすめながら、な〜るほど、こうすればいいんだ!という新鮮な思いに駆られることうけあいです。
来るべき「自然エネルギー社会」を見通すしっかりとしたビジョンと想像力。
そして、それを人の心にじんわりと浸透させてゆく説得力ある語り口と情熱。
う〜む。
まさにこんな人こそが日本の首相になってくれたら、さぞかし「自然エネルギー社会」の実現が近づくのになぁ、との思いが頭をかすめます。
しかし。
きっとそうではないのでしょう。
なぜなら、社会を変革するのは、有能な一人のリーダーではないはずだからです。
この本のなかでも繰り返し述べられているように、目指すべきなのは中央集権ではない「地域分散型」の「新しい社会」であり、ひとりひとりの市民の行動と選択こそがその力となるのです。
そんな未来を信じる力、希望の種のようなものをもらえる
おすすめの一冊です!
「地球を死の惑星にはしたくない」
天才マンガ家が21世紀の子ども達へメッセージ
(帯カバーより)
巨匠・手塚治虫の肉声に触れられるたいへん貴重なエッセイです。
手塚マンガに込められた背景・思想が、とてもわかりやすい言葉で語られています。
彼の漫画ではなく、文章を読んだのは初めてのことだったのですが、漫画作品と同じように、平易で、しかも豊かなイマジネイションが溢れていることにあらためて驚かされました。
しかも、初出から20年以上が経っているというのに、彼の言葉はとても新しく、語られている問題はどれも今の問題だ、と感じさせられます。
「地球は死にかかっている」という強い危機意識。
環境・戦争・教育… 様々な問題への深い洞察と、それを克服してゆこうという情熱は世紀を超えて、私たちの胸を強く揺さぶります。
手塚ファン必読の一冊!
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