昨日ご紹介したニュースに関連して、なかなか興味深い会合が開催されておりますので、遅ればせながらちょっとご紹介させて頂きます。
もう1ヶ月ほど前のことになりますが、6月12日、
自然エネルギーに関する「総理・有識者オープン懇談会」
なる会合が開催されました。
首相官邸にて行われたこの「懇談会」。
次の五氏出席のもと、積極的な意見交換がなされました。
「ap bank Fund for Japan」の代表理事である小林武史氏。
サッカー日本代表の前監督、岡田武史氏。
環境ジャーナリストの枝廣淳子氏。
そして、ソフトバンク社長の孫正義氏。
さらには、音楽家の坂本龍一氏がビデオ参加。
このようになかなか豪華な顔ぶれであったにも関わらず、この懇談会の内容はあまり大々的には報道されなかったようです。
そこで、貴重な各氏の発言の一部を、ここで簡単にご紹介しておきます!
まずは、私たち日本グリーンエナジーが微力ながら法人サポーターとなっている「more trees」の代表も務めておられる坂本氏の発言から。
坂本龍一氏
「原子力っていうのは核を使ったエネルギーですから、核兵器も原発も同じ技術な訳ですよね。これを動かしてしまったという事は、ぼくは『パンドラの箱』だと思います。」
「危険な原子力というエネルギーに私達は依拠するのではなくて、殆ど無尽蔵とも言える太陽から来るエネルギーに依拠して、国のエネルギー政策を抜本的に変えていくべきだと思います。
幸いにして我が国日本にはそのような技術もあります。もう、技術は出そろっているわけですから。いまはただ、やっていないだけですね。やれば必ずできます。」
「原発のように大きな発電所があって、それをケーブルで、電線で、遠いところまで持って行くというのは本当に非効率的なやり方ですよね。コミュニティー、コミュニティーに自給的にエネルギーを供給する事が出来て、それをインターネットのようにネットワークで結んでいけば、もっとリスクの少ない安上がりなエネルギーの供給の仕方が出来ると思うんです。」
小林武史氏
「今までのような消費型の社会じゃなくて、循環型の社会になっていかなければならないんじゃないかと考えています。」
「一人一人の市民として選んでいくことができる自然エネルギーを中心とした新たな社会作りを、これからの世界において、そして震災後の日本からスタートさせるべきではないでしょうか。そのためにも、国の方針としてなんとか電力買い取り制度・送電線の問題などクリアすることで、自然エネルギーを我々が使えるような道筋を作っていってほしいなと思っております。」
岡田武史氏
「再生可能エネルギーを2050年までに50%にする、という政策提言をする『GEIN』という任意団体をやってるんですけど、それが本当にできるのかわからないですけれど、全力で取り組まないと子ども達に申し訳ないんじゃないか、という気がしています。」
「自然エネルギーってのはどうしても分散型にならざるをえないですし、ということは一人一人国民が参加してゆくことになる。組織的に言うとそういう組織の方が絶対に強いんですよ。人間の体も新しい細胞と古い細胞が融合するのに、いちいち脳は命令していない。脳は色んなコントロールはしてるんだけど、細胞同士が横の折り合いをつけてうまくやっている。サッカーのチームでも、監督がすべてコントロールしてるチームってある程度はいくんですけど、そこから上ってなかなか行かないんですよね。選手同士が折り合いをつけて判断してゆく。当然、監督がいないと脳がないと人間死ぬようにダメなんですけど。それを自然エネルギーで考えると、それぞれの国民、企業、民間が折り合いをなしてゆく。その時に、上が枠組みだけは作ってやんないと、どれだけ折り合いをなしていっても、脳が拒否すると細胞が死んでしまう。」
代表監督の時とは比較にならないほど、流暢かつ熱のこもった語り口に少々驚かされました!
このように、自然エネルギーについての熱い議論が交わされたわけですが、その内容もさることながら、この懇談会の模様はすべてインターネットで生中継されるという初の試みで、注目を集めました。
なんと6万人以上(!)の方がライブ参加。
ツイッターで自由に意見できるスタイルが取られたそうです。
このこともまた、「分散型」エネルギーを志向する会合の趣旨にぴったりで画期的だなあと思わされました。
思えば、住宅用太陽光発電は「中央集権的」ではない「分散型」エネルギーの最たるものです。
新しいこれからの時代のエネルギーのより良い普及に引き続き励んでいこう、という思いを新たにいたしました。
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