ドイツ・ソーラーワールド社 工場視察レポート その3

ドイツ3日目!
この日はフライべルクの「R&D」(=品質管理・研究開発部門)の施設を見学しました。

ここでは、より良い製品を生産するための様々な実験・検証が三交代・24時間体制で行われています。

厳密には、この品質管理をおこなうR&D会社は「ソーラーワールドイノベーション社」という別会社、独立した機関として作られています。

(こちらも施設内は撮影禁止につき、しばらく文字のみのご案内となります。)

「セル実験所」「分析用実験所」「モジュール試験実験所」の3つに分かれ、国際基準をはるかに上回る厳しい基準で、じつに様々な検査が行われていました。

例えば、25年分の負荷をシミュレーションした「温度耐性テスト」。
こちらでは、ソーラーパネルを30分間マイナス40℃の低温に晒したうえで、その後10秒以内に今度は85℃に過熱されたオーブンの中に30分間入れます。ソーラーパネルの劣化を短期間で促進させるために、この工程をなんと9,125回(!)つまり25年分繰り返すのです!
(国際規格で指定されているのは、たった200サイクルにすぎません。)

「振動テスト」では、ガラスを取り付ける前のセルの状態で、1秒に4回のペースでたわみを加える装置を使い試験が行われていました。
これは、風や地震による振動を想定したもので、昼夜を分かたず小刻みにたわみを170万回(!)も与え続けての検証。25年間、毎日台風が来る程の負荷を想定した試験とのことで、ただただ頭が下がるばかりです。

このように多種多様な負荷試験が、いろんな材料・部材を使用して実施されていました。
その結果、良い結果が得られた最高の材料だけをセレクトして製品に採用するのだそうです。

(メーカーHPからの画像)

また、45.8kgもの鉛袋をパネルに打ちつける実演はまさに衝撃的! 

パネルに採用されている厚さ4mmのガラスは、アウトバーンの高速走行を想定したドイツ車AUDIのフロントガラスと同等の強度を持っているとのこと。
われわれ参加者が何度鉛袋を振りおろしても、パネルはいっさい割れませんでした!

こんなに強いガラスを使っているのか、と一同驚がく。

「25年保証」をうたっているメーカーは数多あるものの、たんに「国際基準」を満たしているだけで、本当の意味で「実力」が裏付けされているメーカーは少ないのが実状です。
ソーラーワールドでは、過酷な試験によってパネルの耐久性を「実証」しているからこそ、裏付けのある「25年出力保証」が付けられるのだと、納得させられました。

また、すべてのテストを自社パネルだけでなく他社パネルでも実施。他社パネルがどれだけの性能を持っているかも、しっかりと把握しているというから驚きです。
さらに、研究結果に基づいて製造装置さえも自分たちで改良し、研究成果を製造装置メーカーにフィードバックしているというのですから、文字通り、業界のリーディングカンパニーとしてのソーラーワールドの立ち位置がハッキリと伝わってくる施設でした。

以上、「太陽光専門」メーカーとしての長い歴史とプライドを随所に感じさせる、素晴らしい工場見学でした!

ミュンヘンへの帰り道。
電車乗り換えの待ち時間を利用して、ニュルンベルク中央駅の駅前を散歩。

駅前のタクシーは、当然のことながらパトカーのように厳(いか)めしいドイツ車のみ。

石畳の風情ある路地。
皆さん、もちろん昼間から飲んでいらっしゃいますが、一応ビール以外のメニューもあるようです。。。

(その4へつづく)

株式会社 日本グリーンエナジー

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